2011年11月9日水曜日

j 退院 そして…

jは無事に去勢手術を終えて退院しました。

外に返すまで10日間、
これは次の皮膚治療までの日数です。
お気に入りの外のハウスで暮らしてもらうべく、
オイルヒーターを設置したハウスに
通院に使用したケージを入れてケージのドアを外しました。

その時、
一瞬の隙をついて…!
jは一目散にいつもの自分のエリアに消えていきました。

カニさんは気絶寸前、
「この寒さじゃ、死んでしまう」
日陰で風が吹けば港街の気温は限りなく0度に近くなります。

「手術は死期を早めただけなのか?」
「我が家を危険な場所と認識して近寄らなくなったらこの冬を無事に過ごせるのか?」
「抗生物質の影響は外暮らしにマイナスではないのか?」
「それでなくとも気の好い性格、喧嘩でやられてしまわないのか?」
「術後で逃げ足は大丈夫か?」
まだまだ続く不安と反省、でも、もう遅い。
「何が出来るというのだ!!!!今、この場面で」

ハウスに入れたオイルヒーターの電源を切った。
いつでも戻れる様に出入り口を2つ開放して、
ご飯を用意しておくと、タヌキも来るからだ。
タヌキの強烈な匂いは他の動物を寄せ付けない。
寄生虫の問題も有る。
当然、喧嘩もある。

タヌキをいじめる気はない、
彼らも生きるのに必死なだけだ。
でも今は
チョットだけ、jに生きる道を譲ってやってくれ。
野生を奪われて、
人の勝手で厳しい状況に生きなければならないのは、
猫もタヌキも同じかもしれないが、
jは今、相当弱っている。

程度の差こそあれ、
人と関わる事で種が存続しているのにも関わらず、
その人がこの厳しい状況を作っている。
その最たるものが私だ。
善かれと思ってこの結果だ!

…………

……

……






玄関で動物の気配…
jだ!
jが玄関に用意したご飯を食べている!

カニさんは狂喜乱舞(狂気は本当だが踊りはしなかった)
いつもはカリカリに柔らかい缶詰1つ混ぜるのだが
その缶詰を2つにした。

人間が作ったこの不可思議な矛盾だらけの自然界には
「猫のご飯の器」は存在していない。
だから、
外暮らしを強いられたjは小鉢に入ったご飯を食べるのが苦手だ。
よくこぼす、そして、こぼしたご飯も食べようとする。
それでいいのだ、それでこそJだ!

jは帰ってきた。
小屋に閉じ込められるのは断固拒否したが
我が家を忘れずに、恐れずに戻ってくれた。

きっと私達二人を哀れに想ってくれたのだろう。
明日の朝も無事にご飯を食べにきてくれる事を願う以外に無い、
全くの無力である。

ただ、これだけは確かです。
彼、jが、死ぬために生まれてくる様な無駄な命を、
この世に送り出す事は有りません。

彼が望んだ事では有りません、
私の勝手、
本当に勝ってな想いのためですが…。

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